大人のワードローブにトレンドを取り入れる時

大人のトレンドとの付き合い方は「飛びつかず無視もせず」
程よく付き合えるといいですね。

ある程度トレンドを知らないと程よいお付き合いもできません。そこで、トレンドのつくられ方や「ザラ」などのSPAブランドについて。実際どのように取り入れたら良いかをお話ししたいと思います。

トレンドのつくられ方

そもそもトレンドとはどのようにつくられているのか?情報があれば不安にならず飛びつかずにすむと思うので少し知っておきましょう。
それは会議室でつくられているのです。

2年前「トレンドカラーと総合的なトレンドを世界に向けて発信」

流行色を決める

毎年2回パリにおいて、国際間で流行色を選定する世界で唯一の機関、「インターカラー(国際流行色委員会)」の世界16ヶ国(2017年)の代表が集まり、2年後に流行らせたいトレンドカラーの方向性を決めます。インターカラーパレットです。日本からはJAFCA(日本流行色協会)が加盟しています。JAFCAには国内のファッションやインテリア、家電、自動車などの各社が加盟しています。

https://www.jafca.org/colortrend/ladieswear/2018AW.html インターカラー選定風景

総合的なトレンドの発信

流行色が決まった後は、総合的なトレンドが発信されます。発信元は主にパリを中心としたスタイリングオフィスと呼ばれるファッショントレンド情報会社が中心になります。各社が、ジャンル別のトレンドブックを販売したり、トレンド予測セミナーを開催したりという動きが出てきます。

1年半前~1年前 「素材展と国内向けのトレンドカラーの選定」

素材展

インターカラーパレットを受けて素材展が開催されます。ヤーン(糸)やテキスタイル(布地)の展示会です。パリの「プルミエール ヴィジョン」という国際的に大きな素材展は大きな影響を与えています。毎年2月と9月に開催され、そのシーズンを特徴づける色彩傾向をまとめたカラーパレットも発行しています。

JAFCA

日本でもインターカラーパレットを受けてJAFCAが国内向けトレンドカラーを選定します。それらは「JAFCAファッションカラー」と呼ばれています。この際、JAFCA会員になっておくといち早くトレンドカラーを知る事が出来ます。が、何色というのではなく、色の方向性やイメージのパレットが発表されるのです。

・2020年春夏のレディースのカラーテーマは“Future Esthesia”  フューチャー・エセーシア(未来の感覚)
・メンズは“Diversity”  ダイバーシティ(多様性)
・プロダクツ&インテリアはKISEKI” (きせき)

ご興味ある方はJAFCAのHPをご覧下さい。
https://www.jafca.org/colortrend/ladieswear/

https://www.jafca.org/colortrend/ladieswear/2018AW.html

1年前~半年前「アセンディングカラーの提案」

アセンディングカラー

国内の合繊・紡績メーカーはJAFCAファッションカラーを元に、日本のマーケットを意識してそれぞれの会社でカラーサンプルを作ります。また 「JAFCAファッションカラー」は小売を意識して調整され、特に流行しそうな色を「アセンディングカラー」として提案します。

業界の意見や社会動向も反映させ調整を行い、ここで具体的な色名が出てきます。

半年前~実シーズン「商品企画、展示会」

コレクション

実際にアセンディングカラーを用いてアパレルメーカーが商品企画を行い、世界各地でコレクションやアパレル展示会が開かれます。私達にネットや雑誌などで情報が届くのはこの辺りからです。

実シーズンの半年前、主要都市4カ所で開催されるコレクションが世界のファッションマインドをリードします。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノコレクションですね。「何でこれから暖かくなろうとしているのに秋物のコレクションをやってるんだ?」と思われたことはありませんか?

イヴ・サン=ローラン2020年春夏プレタポルテコレクション

コレクション情報はこちらから。
https://www.vogue.co.jp/collection/season/list

2020-21の年秋冬のコレクション情報が入ってきています。何となくでも観ていると「引き続きアニマル柄、チェック柄」とか「ジャケットが多いかな?」とか感じることが出来ると思います。

ディオール2020-21秋冬プレタポルテコレクション

店頭に並ぶ

このコレクションの後、各アパレルメーカーがそのマインドを受けて、私達が実際に着られそうな実用的なお値段とデザインになり、展示会を見た小売りの担当者がお店に置きたいモノを買い付けて、実シーズンに店頭に並ぶのです。

オートクチュールとプレタポルテ

ちなみに、サイトを見るとオートクチュールコレクションとプレタポルテコレクションがありますが、一応言葉のおさらいをしておきましょう。

オートクチュール

「オートクチュール」というのは、自分のためだけにあつらえた服。
オート(HAUTE)=「高い」、クチュール(COUTURE)=「仕立服」という意味。
世界のセレブがコレクションを見て「これがほしい」とオーダーでつくってもらうんですね。何度もパリに足を運んで試着を重ねる最高に贅沢なドレスです。

https://www.vogue.co.jp/blog/fubuki-nakagawa/archives/2250
映画「ディオールと私」

https://www.happyon.jp/signe-chanel「サイン・ シャネル~ カール・ラガーフェルドのアトリエ~」

どちらもオートクチュールコレクションのドキュメンタリーですが、クチュリエの手仕事にほれぼれします。

プレタポルテ

「プレタポルテ」はフランス語で既製服という意味。通常、既製服のなかでも品質がすぐれ高価なものをさします。
オートクチュールのオリジナルのデザインを大量生産向けに改作し、自家工場や、その独占権を買った既製服メーカーで生産したもの。つまり、既製服でもとっても高価なのです。

https://movies.yahoo.co.jp/movie/映画「プレタポルテ」

こちらは1995年公開の映画。パリコレを舞台に華やかなファッション業界を皮肉った群像劇。顔ぶれがとても豪華です。

外れることも…

これがトレンドの大きな流れです。先に知っておくと「取り入れるか」「様子を見るか」の対策が立てやすいと思います。ただ、あくまでもトレンド予想なので、消費者が「様子見」と判断する人が多ければ外れる時もあります。

色に関しては、ニューヨークに本社がある色見本帳のパントン社が、年末に翌年のカラー・オブ・ザ・イヤーを発表します。こちらも影響力があるので、気になる方はチェックしてみてください。
https://www.pantone-store.jp/coy2020/index.html

台頭するSPAブランド

一方、2年もの歳月をかけず、消費者が買うもの=流行という基本姿勢で、POSデータで消費者のニーズをつかみ、スピーディーに売り場や商品企画、製造に反映、販売を行うSPAブランドが台頭しています。トレンドデザインを提供するZARA、ベーシックアイテムを提供するUNIQLOなどがそれです。私達にとっては最新デザインの服が安価に手に入る点がメリットです。

私もUNIQLOではヒートテックとウルトラライトダウンには大変お世話になっています。ジーンズなどベイシックアイテムがトレンドを意識しつつラインが美しいので、取り入れる人が多くなってきました。また、宝探し感覚で「とてもこの値段には見えない!」というモノをZARAで見つけたりもします。

大人のワードローブには全身取り入れるというよりも、その中で1、2点取り入れると良いと思います。

https://www.zara.com/jp/ja/woman-new-in-l1180.html?v1=1445984

トレンドをどう取り入れるか?

人は変化を嫌いつつも変化を望んでいます。そこで程良くトレンドを取り入れることは良いことです。

トレンドの色、柄を取り入れるか?

例えば、ブリティッシュテイストのチェック柄のワイドパンツが素晴らしく似合う方がいました。では、私が似合うかというと、私には柄と素材がかっちりし過ぎてその方のようには着こなせません。

https://www.gracecontinental.com/

私がこのテイストを着るとしたら素材を柔らかくして、色のコントラストを控えめにしたスカートだと似合うと思います。

https://www.gracecontinental.com/

ただ、ブリティッシュテイストらしさが出るかというと少し控えめになってしまうので、「無理して取り入れなくてもいいか」となります。どうしても取り入れたいときは細かいチェックならいけると思います。

トレンドカラーも同様です。似合う色がトレンドでたくさん出ていたら、その中からとっておきのものを選ぶことができます。また、いつもは着ないような色を安価なものからチャレンジしてみるのもありです。

大人のトレンドとの付き合い方はふた通りある

トレンドは必ず取り入れなければいけないかというと、そんなことはありません。

マイウェイスタイル

マイウェイスタイルは自分にぴったりのスタイルを変えないことです。

その最高峰は米国版ヴォーグの編集長アナ・ウィンターでしょう。ファッションを生み出すトップランナーでありながら、ヘアースタイルもコンサバなファッションもずっと変わりません。その首元には大ぶりのヴォッテガ・ヴェネタのネックレス。ヌーディーなピンヒールはマノロ・ブラニク。他のブランドは見もしないと言います。家でのインタビューでジーンズをはいているのは見ましたが、他ではパンツ姿を見たことがありません。

ハイブランドの素晴らしさもありますが、自分なりの黄金比を極めた人なのでしょうね。

私の周りにも、「このヘアースタイルでないとあなたじゃない」と言いたくなるほど、いつもの髪型がキマっている人がいます。ベリーショートやショートボブがぴったりはまる方は、ずっとそのスタイルを貫く方が多いように思います。

程よく時代の風を感じて

一方は変化を好むタイプです。

私は自分らしくて大好きなものはトレンドに関係なく貫き、色や柄のトレンドは似合っていて気持ちが向かえば取り入れます。時代の風として気にしていたいなと思うのは「シルエット」です。

ここ何年もビッグシルエットで、あまり得意でない私は今のトレンドに困っているひとりなのですが、かといって変化も楽しみたい。バランスを取りながらゆったりしたシルエットも取り入れるし、丈感は何となくですがトレンドを気にしています。。

まずは自分軸を基本に、実用性も考えながらどこまでトレンドを取り入れるか考えるのも楽しみのひとつです。

まとめ

変わっていくトレンドをどのように取り入れれば良いか悩みどころです。「今年はブラウンがトレンド」となると、ショップにはブラウンのアイテムが並びます。トレンドだからとそのまま取り入れるかどうか?

トレンドが正解ではありません。トレンドを知った上で取り入れるか取り入れないかは、自分のワードローブの軸を基本に自分主体で考えます。もし使えそうだったり、大いに気持が求めるならば取り入れるといいと思います。

大人のトレンドとのつきあいは「飛びつかず無視もせず、恐がらず」です!

トム・フォード2020-21秋冬プレタポルテコレクション

Style Season 黒滝伊都子

 

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