冬から春にかけてなど、季節の変わりめをスイッチシーズンなどと言ったりしますが、この季節に何を着たらいいのかわからないと言う声をよく聞きます。
陽差しは春、でもまだ寒い日がある。日替わりで気温差が大きいと体調も崩しやすくなります。暑さ寒さを我慢せずに一歩先の季節を楽しむのが大人の余裕というもの。
そこでポイントになるのが季節の変わりめの「アウター」の選び方です。
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「アウター」
アウター、アウターとよく言いますが、これはコートやジャケットなど上に羽織る洋服のこと。
枚数が増えると、ワードローブの中で場所を取るものでもあります。なので導入にはいつも慎重になるのですが、数年の間にショップでは色々なタイプのアウターが出てきました。
コートとカーディガンの間のような柔らかい生地のコートや、カーディガンとコートの間のような形がしっかりめのカーディガンなど。
異なるアウターのいいとこ取りをしたタイプのアウターが定着してきましたね。
「コーディガン」と呼ばれているのをお聞きになったことがあると思いますが、2015年頃から使われた造語です。トレンドに左右される言葉なので、ここでは「いいとこ取りのアウター」と呼ぶことにします。
いいとこ取りのアウター
コートっぽいカーディガン
コートっぽいカーディガンは、カジュアルになりすぎずキレイめな装いにもなじむけれど、肩の凝らないカーディガンです。カーディガンの着こなしはもっさりしがちなので工夫が必要なのですが、これは洋服がシルエットをつくってくれるので、大人にも取り入れやすいですね。
素材
素材はニットです。
伸縮性があるのでウールコート素材に比べると動きやすいです。ただ、普通のカーディガンより素材に張りがありかっちりした印象です。そこがロングカーディガンと異なる点だと思います。
形
丈感は色々なものがありますが、通常のカーディガンより長い丈で、カーディガンのような深い打合せがないノーカラーのものが多いです。その他、襟元にドレープが入っていたり、襟付きのもの、フード付きのものもあります。
カーディガンぽいコート
言葉の順番が入れ替わっただけなのですが、こちらは軽くてさらっと羽織れるカーディガンのようなコートです。
素材
素材はポリエステルなど化繊のストレッチ素材が多いので、軽くて伸縮性があります。表面に光沢感のあるもの、トレンチコートのようなコットンに見えるもの、ツイードのように見える素材もあります。見た目がニットっぽくないものですね。
形
コート丈で、さらっと羽織ることができるカーディガンタイプ。
その他のいいとこ取りアウター
ジャケットとカーディガンのいいとこ取り
いいとこ取りミックスコートの丈を短くするとジャケットになります。
昔からありますがニットジャケットなどもここに入りますね。
ジャケットとスポーツウェアのいいとこ取り
レザーとの甘辛コーデのように組合わせることができます、スポーツするときのアウターをキレイめに寄せたジャケットです。大人が取り入れるなら、表面に上品な光沢感(ギラギラでなく)があって、シンプルなデザインがおすすめです。休日、我が子の少年野球チームの応援に行く感じにならないようにしましょう。
ちなみに私はスポーツテイストが苦手なので、割り切ってスポーツするときだけ取り入れることにしています。
大人のワードローブに取り入れるには
いいとこ取りアウターの取り入れ方です!
いいとこ取りアウターをおすすめする7つの理由
◇暑苦しく見えないので季節感を出せる
◇ゆったりしているので重ね着で、暑さ寒さの調節ができる
◇ホームクリーングできる素材が多く、しわにもなりにくい
◇ワードローブでかさばりにくい
◇軽やかで動きやすい
◇色々なシーンで活用できる
◇ドレスコードに迷ったときの味方になる
いいとこ取りアウターを取り入れるときの注意点
「いいとこ取り」というのは裏を返せば「どっちつかず」になる可能性もあります。大人のワードローブには大人の装いができるものを取り入れたいですよね。「便利だから」「楽だから」だけで選ぶと没個性になりがちです。
なので、よりおしゃれになるようなものを選びたいと思います。
◇「私のワードローブ」にふさわしいか?一瞬でも考えてみましょう。
◇素材の高級感はほしいですね。実際の価格は問わずですが、見た目に高級感のある素材を選びましょう。テロテロ素材には注意です。
◇シンプルなデザインが使いやすいです。
◇ただ、シンプルすぎてのっぺりしないように、スリットがあったりラインの美しいものを選びましょう。
◇素材や形が自分に合ったものを。試着をしてバランスを確認しましょう。
寒い日の調整アイテム
季節の移り変わりの時期は毎日の気温差が大きいです。
そこで調整アイテムを味方につけると安心です。
巻物で調整
寒い日はカシミア、暖かい日はシルク…など、アウターはそのままに巻物のボリュームで調整します。春先は春らしく、秋口は秋っぽく、色や柄で季節感も楽しめます。
ふんわりと巻ける素材を選んでください。巻物は巻いてみると表情が変わります。肌触りも大切です。二重巻きでよいので必ず試着してくださいね。
カイロとスリムダウン
私もそうなのですが、寒がりの方は春先にカイロを持っていると安心です。
また、すっかり定着しましたが、ユニクロなどのスリムダウンをアウターの下に仕込むと、急に寒くなっても見た目は変わらず暖かく過ごすことができます。
まとめ
いいとこ取りのアウターは、着やすく、手入れが楽で、その日の気温に煩わされずに一歩先の季節を楽しむことができます。ただ、「どっちつかず」のぼんやりした装いにもなりやすいので、必ず意志を持って取り入れてください。
季節の始めの陽差しを感じる。
風を感じる。
例え特別な場所に行かなくても、日々の生活の中で感性を働かせて、感じたことをファッションでも表現してみてくださいね。
Style Season 黒滝伊都子