スイッチシーズンのワードローブに便利なレザージャケット

季節は春から初夏へと移ろうとしています。新緑が目に眩しくパワーをもらえますね。この季節の移り変わりの時期をスイッチシーズンと言ったりします。気温の変化が大きく、着るものに困る季節でもあります。

このスイッチシーズンに重宝するアイテムがレザージャケット。ハードなイメージがあるレザージャケットですが、今は色もデザインも豊富で、エレガントにもカジュアルにもコーディネートできます。

大人のワードローブにぜひ取り入れて頂きたいレザージャケットについてご紹介します。

レザージャケットはじめて物語

レザージャケットというとどんな印象でしょうか?

ロック歌手やライダー、アクション映画の衣装のようなハードなイメージかもしれませんね。

モノにはルーツがあります。その成り立ちを知ると興味がわいてくると同時に、そのモノのこれからも予測できるかもしれません。と言うことで、映画の衣装などをたどりながらレザージャケットのはじめて物語です!

今回は起毛していない表革のレザージャケットのお話しです。

レザージャケットのはじめて

人間は「レザーを身につける」という意味ではもっともっと古くから身に着けていたと思います。が、「革で出来たジャケットは?」というと、飛行機乗りのためのフライトジャケットから始まったようです。フライトジャケットは軍隊に取り入れられます。(現在軍隊はレザーではないようですね)

アメリカ海軍のフライトジャケットを着た「トップガン」のトム・クルーズを思い出します。当時24歳!

ライダースジャケットのはじめて

このフライトジャケットをバイク乗りが取り入れたのがライダースジャケットの始まりです。バイクに詳しくない私でも知っている、ハーレーダビッドソンから、まずシングルのライダースジャケットが発売されました。

80年ほど前のアメリカでの話です。

「バイオハザード1」でミラ・ジョボヴィッチが着ているのがシングルライダースの現代版。

その後、同社からダブルのライダースジャケットが発売されました。

「ターミネーター2」でシュワちゃんが着ているのがダブルのライダースジャケット。

ライダースジャケットを広めたアウトローの映画

当時のライダースジャケットの人気に一役買ったのが、ゴッドファーザー マーロン・ブランドの若かりし頃の映画「乱暴者~あばれもの~」

女子はこちらがお好き?

ジェームス・ディーンのライダースジャケットにバイカーブーツ。

「アウトロー」「反抗」の象徴的スタイルとして若者の間で広がって行きました。

ヨーロッパに広がる人気

アメリカが元祖のアメジャンと呼ばれるライダースジャケットはヨーロッパの若者にも支持され、バイクのタイプや走り方の違いからロンドン仕様にカスタマイズされた「ロンジャン」と呼ばれるライダースジャケットが生まれました。

ロックンロールとライダースジャケット

やがて、ライダースジャケットは、アメリカンロックンロールに夢中になった若者の間で広がり、50’sファッションの代表的なアイテムとなります。

プレスリーも当時はレザースーツを着ていますね。

その後、ビートルズに代表される、細身スーツに細身のネクタイのモッズ系ファッションに取って代わられます。

ビートルズも始めはレザースーツだったんですね。リンゴ・スター加入前。若い!

やがて、敏腕マネージャーの助言でご存じのモッズ系スタイルになりました。

デヴィッド・ボウイ…この方も美しいのでモッズ系で載せちゃいましょう。

その後年を経て、ライダースジャケットはパンク・ロックと共に復活するのです。

アメリカンパンク・ロック  ラモーンズは全員ライダースジャケット!

レディースのレザージャケット

メンズファッションが起源のレザージャケットですが、女性が身につける場合は、男勝りにバイクを操るブロンドの美女か?女盗賊か?という印象が強く、普通の女性には手を出しにくいアイテムでした。

1986年公開の「トップガン」のケリー・マクギリス

白シャツにタイトスカートにレザージャケット。全てクールなアイテムでカッコイイ女性を演じていました。

2002年公開の「バイオハザード1」では、ジョボヴィッチがこのレザーの下にこんな衣装を着ています。

サイドが持ち上がっていますが、女性らしい赤いスリップドレスです。この時代になるといわゆるミックスコーデが取り入れられているようですね。

私がレザーを取り入れやすいな、と思った映画は、2006年公開「プラダを着た悪魔」でのアン・ハサウェイの装いです。

スタイル抜群の着こなしではあるけれど、クール、セクシーというよりもキュートな雰囲気が出ています。

2000年代になると、普通の街着としてレザージャケットを取り入れる事が増えて来たようです。

レザージャケットを気軽に取り入れるようになった3つのわけ

その1

男性のフライトジャケットから始まったレザージャケット。今では男女問わず普通にコーディネートするようになりました。それは柔らかいレザーが比較的安価で出て来たからというのが理由のひとつではないでしょうか。

ライダーが愛したのは主に牛革のレザージャケットです。身を守るためにとても丈夫でハードなレザーです。

学生の頃、音楽仲間が中型免許を取り、ライダースジャケットを買って着ていましたが、はじめはジャケットばかりが目立っていました。それを来る日も来る日も着続け、革が柔らかくなって身体に馴染み、黄色みのブラウンに落ち着きのある艶が出て来た頃、彼のトレードマークになりました。若い男の子が少々むさ苦しかった時代の話です。

牛革はこうやって、自分なりのレザージャケットに育てて行く楽しみがあります。

でも、女性の街着には少々ハード。

そこで今はラムや羊革、山羊革などの柔らかいレザーが出ています。柔らかいので、丈夫さでは牛革に劣りますが、上品でエレガントに着こなす事ができます。

その2

そして時代はミックステイスト。フェミニンなスカートにレザージャケットやGジャンなど、テイストの違うアイテムを合わせて、きっちりし過ぎない抜け感や外しを表します。

上下レザーやジーンズにレザーなどの着こなしより、色々なタイプの人が取り入れやすいのです。そして、色やデザインの多様性から選びやすくもなりました。

その3

フェイクレザーの質が向上したのも人気の理由ですね。気軽にお天気も気にせず、革っぽい素材を楽しめます。

レザージャケットがおしゃれに見えるのは?

それはレザーの質感です。レザーはウール等の繊維とは違うツヤ感があります。

例えば黒のワントーンコーデをしたとします。

黒いウールのニットにパンツ、ウールのジャケット、カーフスキンのパンプス。「ご不幸があったんですか?」と聞かれてしまうかもしれません。これを喪服っぽくなくおしゃれに着こなせる方は多くありません。全てがマットな質感の黒だからです。

そこで例えば、ウールのニットにパンツ、ジャケットはレザーにして、パテントのパンプスに変えると?奥行きのある黒のワントーンコーデになります。異素材、黒でもツヤ感の違う黒を重ねているからです。

「シャネルとストラヴィンスキー」でシャネルを演じたアナ・ムグラリスの女性らしくもパワフルなワントーンコーデ

大人のレザージャケットの選び方

では、大人のレザージャケットはどんなモノを選べば良いでしょうか?

革の種類

レザージャケットには、牛革、豚革、羊革、山羊革など、色々な素材があり、それぞれに特徴があります。

✤牛革は丈夫で経年を楽しめる。でも重い。始めは硬い。

✤羊革は柔らかくて加工しやすい、でも丈夫さに劣る。

✤山羊革は柔らかくてしかも丈夫。羊革に比べるとキメが荒い。

大人のワードローブには、まず柔らかい羊革や山羊革がハードになり過ぎずおすすめです。

様々な色のレザージャケットがありますが、1枚手に入れるならご自身の他のワードローブと相性の良いベイシックカラーが良いでしょう。

淡い色のレザーはキレイですが、何となく汚れてきます。

以前持っていたレザージャケットが淡いクリームベージュだったのですが、何年かすると色が褪せたようになりました。レザーの質にもよると思いますが、次はもっと濃いカーキベージュを買いました。もう何年も着ています。

シンプルなデザインがいいですね。他のキレイめアイテムともカジュアルアイテムとも馴染み、普通のジャケットと同じようにコーディネートできます。

黒いレザーのライダースも、ハードになりすぎないように、装飾がシンプルなモノが活躍します。

でももしパンク・ロックが好きでコンサートに行かれる方がいたら、その日は思いっきりハードにレザーを楽しんで下さいね。ミックスコーデではなく全てクールにキメて下さい!それも大人の遊び心です。

レザーのお手入れ

✤一番気をつけたいのは雨染みです。急な雨で濡れてしまったら、よく拭き取って陰干しでしっかり乾かしてください。

✤普段のお手入れに、1本馬の毛の柔らかいブラシがあると便利です。カシミアやウールのニットやコートのお手入れ、毛玉取りにも使えます。

✤衣替えの時は、陰干し、優しくブラッシングして仕舞います。手に入れたからにはケアをして長く大切に大切に着たいですね。

まとめ

このようにコーディネートに奥行きを足せるレザージャケット。真冬と真夏以外長い期間使えて、スイッチシーズンの陽気の変化にお洒落に対応できます。まずは、お手持ちのアイテムと馴染むベイシックカラーのシンプルな形のレザージャケットをワードローブに加えてみてはいかがでしょうか?

レザージャケットをおすすめしていますが、アメリカの先住民族が食肉の副産物として、全て無駄にせずに使い切るために身につけたのが始まりとも言われるレザー。もちろん、身につけない…という選択もあります。

大人のお洒落と心躍る暮らしをスタイリングするマチュアスタイリスト

黒滝伊都子

 

 

 

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