「クローゼットに洋服はあるのに着るモノがない」
良く聞くお悩みです。皆様は如何ですか?
それを解決すべくスタイリストや人気ブロガーの方の書籍が出ていますし、雑誌の特集も組まれています。本当にたくさんの書籍が出ていますね。それだけ人それぞれの個性があるという事なのでしょう。
私は整理収納とファッション両方の観点からワードローブ作りをしています。そのような書籍や雑誌もとても参考になります。ただ、そのままでは自分のワードローブに取り入れることはできません。著者と私のワードローブは違うからです。なのでそのエッセンスを吸収しながら自分だけのワードローブを作って行きます。
「着るモノがない」と感じるワードローブは、ワードローブの基本、核になるモノがないという場合が多いですね。
今回は「ワードローブの基本になるもの」について、そのエッセンスをお伝えしたいと思います。
コンテンツ
洋服はあるのに着るモノがない…その理由
「洋服はあるのに着るモノがない」と感じるのにはいくつか理由があります。
そのひとつに「基本になるベイシックアイテムがない」ということがあります。
かつての私がそうでした。
20年以上前は色と柄が華やかな時代でした。華やかさに誘われて色柄物をどんどん買っていました。色柄モノでなくても少しずつデザインがあるものが多く、当時は「洋服はたくさんあるのに同じ感じだな」と思っていました。組み合わせが効かなかったのです。
その後はずっとベイシック流行り。柄と言ってもボーダーくらいでしたね。私のワードローブにもベイシックなアイテムが増えて行きました。ちょっと寂しいなと感じながらも、こちらの方が圧倒的に着回しが効くのです。
そして、ここ2、3年でしょうか?鬱憤を晴らすように柄も色も花盛り!かつての私と同じように、華やかさに誘われて着回しが効かなくてお困りの方が増えてきたようです。
色柄、形に特徴があるアイテムと基本のベイシックアイテムはどのくらいのバランスで持っていればよいのでしょうか?
ワードローブのバランス
アクセントになる色、柄もののバランス
インテリアコーディネートの場合
インテリアの場合は色を3色以内にするとまとまりが良くなります。その3色のバランスは…
・壁や床、天井のベースカラーが70%
・カーテンやカーペット、ソファなどのメインカラーが25%
・インテリア小物などのアクセントカラーが5%
このくらいで調和が取れると言われています。
柄の中の色も含めて3色以内にすると、落ち着きのあるインテリアになります。
ワードローブの場合
ワードローブも基本は無地のベーシックカラーで揃え、15%~30%位で色柄モノを揃えると、着回しが効いて華やかな中にも落ち着きのある大人のワードローブになります。
そしてコーディネートはインテリアと同じく3色以内にするとまとまります。
私のワードローブは、春夏は華やかに色柄モノ多めで、秋冬は圧倒的に無地のベイシックカラー。少しの色柄モノと小物で変化を付けます。
基本のバランスを押さえて、それぞれの仕事のドレスコード、好み、季節感などでバランスを調整するといいですね。
ベーシックカラーって何?
無地はわかりやすいとしても、ベーシックカラーってどんな色でしょう?
一般的にベーシックカラーと言われているのは無彩色ばかりではなく、あまり色味を感じない色の事を言います。白、黒、グレー、ベージュ、ネイビー、ブラウンを指すことが多いです。
ただ、ブラウンをベーシックカラーに入れるかどうかは意見が分かれるところです。ブラウンはカジュアルな色と言われています。ビジネスのあらたまった場面では避けた方が良い色です。
ベーシックカラーを2つに分ける
そこで私はベーシックカラーを1次と2次に分けています。
◇ベーシック1次カラー
黒、濃いめのネイビー、グレー、ベージュ、白(アイボリーなども含む)
◇ベーシック2次カラー
カーキ、キャメル、ブラウン、明るいネイビー、インディゴブルー
これは、ライフスタイルやお仕事によって自分なりの入れ替えをしても大丈夫です。
このベーシックカラーから基本色と差し色などを選んでワードローブの7割から8割を組んでいきます。
組み方はこちらをご覧ください。
ベーシックな形や素材
色はベーシックでも形や素材に特徴があるものばかりでも組み合わせが効きません。
コーディネートには通常アクセントになるモノと背景になるモノが必要です。色柄だけでなく、合わせやすい形や素材感があります。
例えば、柄のスカートを引き立てるためには、特徴のないシンプルなトップスが良い仕事をします。
特徴のないシンプルなトップスに当たるのがベーシックなアイテムです。色がベーシックだとしても、形にボリュームやデザインがあったら、こんなにすっきりこのスカートは着こなせません。
襟元と袖に特徴があるボリューミーなトップス にシンプルなチノパンを合わせています。トップスの可愛らしさが引き立ちます。
小物のストールとバッグを引き立てる背景としてのシンプルなリブニットにテーパードパンツ。この背景に来るのがベイシックアイテムです。
ベーシックアイテムってどんなもの?
では、ベーシックアイテムとはどんなアイテムでしょう?
◇シンプルなクロップドパンツやテーパードパンツ(ワイドパンツ)
◇シンプルなジーンズ
◇タイトスカート、ストレートスカート(あまり広がらないフレアースカートにプリーツスカート)
◇V襟や丸襟のシンプルなニットやTシャツ
◇シンプルなシャツやブラウス
◇普通のカーディガン
◇シンプルなテーラードやノーカラーのジャケット
シンプル、普通という言葉が並びましたが、主張せず他と馴染むアイテムが大人のコーディネートには必要です。変幻自在に姿を変えて私達のワードローブに寄り添ってくれるのです。
生活スタイルによって決まるアイテム
それでは、どんなアイテムを選べば良いのでしょう?
それは、その方の生活スタイルで決まります。これが合わないと、「着るものがない症候群」になってしまいます。
例えば
お子さんが小さくて働くママの場合
お子さんと遊ぶデニムやTシャツなどのカジュアルアイテムと仕事用のキレイめニットやパンツなどが必要です。
お子さんが小さい主婦の方の場合
ワードローブの中心はお子さんと公園に行けるカジュアルスタイル。カジュアルを思いっきり楽しみます。他にランチやお出かけ用が少しあればいいですね。
仕事が忙しく、休みの日はほとんど出かけないというインドアのワーキングウーマンの場合
圧倒的に仕事着中心でベイシックなスーツやインナー。大事にしたいのはゆったり過ごせる部屋着。それに少しのカジュアルウエアがあれば良いのではないでしょうか。
基本アイテムの選び方
私は、色柄モノは出会いなので、プチプラや一目惚れで買うこともありますが、ベーシックカラーでシンプルなアイテムは、かなり理想を明確にして真剣に時間をかけて探します。
昨年キャメルのワンピースがほしいと思いました。買う前に明確にどんなワンピースがほしいかを真剣に考えました。
・濃すぎず明るすぎずのキャメル
・V襟ノースリーブ
・ギャザーではなくタックかフレアースカート
・エレガントなスカート丈
・カジュアルな素材程良い光沢感
・家で洗えてシワになりにくい。
この理想を満たすために、昨年の早い時期から探していました。
顔の雰囲気やボディラインに合っていること。着る時の用途に合っていることを踏まえ、細かくイメージします。
ベーシックカラーのシンプルなアイテムはワードローブの基本になります。
かなり鮮明にイメージして、常にアンテナを張り、時間をかけて出会いを待ちます。また予算もここに1番かけます。
特にベーシックなパンツやシャツなどは試着に試着を重ね、鉄板アイテムを探します。
とは言え、みなさんそんなに洋服を探すのに時間をかけられないかもしれませんね。
ただ、一度時間をかけて探すとあとが楽になります。身体や顔映りにぴったりのベイシックな鉄板アイテムは大きな自信をくれるのです。
ブランドによっては、毎シーズン変わらずに定番アイテムを出す所もあるので、買い換える時は、またそのショップを覗いてみればいいわけです。
まずは、似合うベーシックカラー似合う形、素材のシンプルな鉄板アイテムで、ワードローブの基礎を作ってみて下さい。
まとめ
◇ベーシックカラーのシンプルなアイテムでワードローブの基礎を作る。
◇仕事、ライフスタイル、顔映り、体型に合った鉄板アイテムを手に入れる。
ベーシックアイテムでワードローブの基礎ができたら、今度は華やぎアイテムで心が浮き立つワードローブにしましょう。
こちらを参考にしてくださいね。
大人のワードローブは小物使いで差が出ます!
小物についてはこちらを参考にしてみてください。
大人のお洒落と心躍る暮らしをスタイリングするマチュアスタイリスト
黒滝伊都子