自分のことって意外によくわかっていないのですよね?
顕在的に認識している自分はほんの数パーセントと言います。何だかもやもやするけれど原因がわからない。不機嫌の理由は何?家族に「私のご機嫌を取って」と言ったところで、家族は家族でそれぞれに忙しい。特に主婦は色々な面で家族の調整役に回ることが多いので、そんな欲求はほぼ満たされないのではないでしょうか?仕事場であれば尚のこと、自分の気分のコントロールは自分でしなければなりません。それなら、自分で自分をご機嫌にするしかないですね。
私はよく「いつも機嫌がいいね」と言われます。これはある程度認識しているのですが、私は降っても照っても比較的ご機嫌です。それなりに多少の浮き沈みはあるのですが、たぶん自分のご機嫌を取るのが上手いのだと思います。私は主婦でもあるので、主婦としての一番の仕事は「自分の機嫌を取ること」と思っているくらいです。「どうやってるの?」とよく聞かれるので、私の方法をお話ししてみたいと思います。
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自分で自分をご機嫌にする3つの方法
私は基本的に、こう考えることにしています。努めてこう考えるようにしています。
✤考えて何とかなることなら出来るだけ前向きに頑張って考える!
✤いくら考えても答えの出ないことは極力考えないことにする!
✤物事に良いも悪いも両面ある場合は良い方を考える!
夫は「何て脳天気な奴だ!」と思っていると思います。確かにこういうのを脳天気というのでしょうね。まぁ、自分も周りも楽なので脳天気万歳!です。それでも、いつもいつもそんなに割り切れる事ばかりではありません。小さなことでもだんだん降り積もってきます。
そこで、私の自分で自分をご機嫌にする方法は次の3つです。
◇「寄り道」
◇「妄想」
◇「心の奥深くを動かしてみる」
この時は自分を優先させて気分転換を図り、自分自身にフォーカスします。気分転換の方法は人それぞれだと思いますが、この場合はミニトリップしてすぐに戻って来られる方法がいいですね。私は遅めの時間帯の方が得意なので、仕事が終わってからの気分転換が多いのですが、みなさまの得意な時間帯で考えると良いと思います。朝が得意な方は早朝の清々しい時間をその時間に充てるのも素敵ですね。また、まとまった時間が取れない場合は、細切れの時間を充てる場合もあるでしょう。
1番目の寄り道について、私の場合の例えば…をお話ししますね。
寄り道
私はエンジンの掛かりが遅いので、出来るだけエンジンがかかっているうちに何でもついでにやってしまいます。気分転換もついでにやります。私は仕事帰りによく寄り道をします。今は息子達も社会人なので、「今日私は遅くなります。夕飯はそれぞれに食べてね」と家族にメッセージを送り遅く帰ることも出来ます。それぞれに外食したり、買ったり、作ったりして食べています。料理はみんながするので寄り道もしやすくなりました。
子供達がまだまだ小さい時はどうしていたかと言うと、やっぱり寄り道してました。仕事が早めに終わると、コーヒーを一杯だけ1人でゆっくり飲むとか、本屋さんに寄るとかしていましたね。ほんの30分足らずのことなのですがとてもリフレッシュできました。本当は一目散に子供達を迎えに行かなくてはならなかったのですが。
それぞれの時期にそれぞれの方法で寄り道し続けて来ました。
毎年寄り道でお花見をします。仕事に行った先で近くに見所があると寄ってきます。映画や美術館にも良く寄り道します。ショップも見て歩くし、講座に行った日はカフェで一人、講座の振り返りをしてから帰ります。
例えば、ある日の寄り道ビューイング
八重桜の季節の清澄公園&清澄庭園です。
大きな池の水に癒され、四季折々の草花にも癒されます。この時はサトザクラとシャガが満開でした。
芭蕉の古池の句碑の向こうに深川図書館のレトロな建物が見えます。
一瞬日常からトリップできる寄り道…気分転換してまた日常に戻ります。
例えば、今年の寄り道OHANAMI
横浜汽車道の夜桜です。
月と桜と横浜みなとみらいの夜景。
例えば、ある日の寄り道シネマ
エレノア・コッポラ脚本・監督「Paris Can Wait] 邦題は「ボンジュール アン」何と80歳にして初の長編劇映画監督デビュー作品!とはいっても…エレノア・コッポラのご主人は泣く子も黙る!「ゴッド ファーザー」のフランシス・フォード・コッポラ監督。「マリー・アントワネット」のソフィア・コッポラはお嬢さん。
この映画は「大人の女性の人生の寄り道」
同年代のダイアン・レイン演ずる主人公に共感したり、ロードムービーで一緒に旅をした気分になれたり。それにこの映画を是非見たいと思った理由はもうひとつ、衣装を「マリー・アントワネット」のミレーナ・カノネロが担当していたからです。
数々のアカデミー賞を受賞してきたミレーナ・カノネロが、どんな旅のワードローブを作るのか?とても楽しみでした。アンの衣装は3着。プラス着物のような美しいイエローのナイトガウン。シンプルながらシルエットがキレイでディテールの凝ったモノばかりでした。それに風景にもぴったり!旅のワードローブはこれが大事です!!カジュアルな旅の服装にレストランでさっと巻いたストール使いはさすが!そして一番気に入ったのは最初のディナーで着ていた赤いワンピースドレスです。
やっぱり赤いドレスは素敵!映画を観る楽しみは、衣装を観る楽しみでもあります。
また、ある日の寄り道シネマ
私はバレエ鑑賞が趣味です。
「ダンサー セルゲイ・ポルーニン世界一優雅な野獣」連日満員でした。バレエ ファンのみならず、セルゲイ・ポルーニンを世界に知らしめたのはこの映像でしょう!
ポルーニンはイギリスのロイヤルバレエ団において19歳で異例のプリンシパル昇進。「ヌレエフの再来」と言われ人々は熱狂しますが、悩める天才ダンサーは規律の厳しい伝統的なバレエ界におさまりきらず昇進後2年で電撃退団します。伝統を愛する観客にとっては刺激的なあのタトゥーは物議を醸し、バッドボーイのレッテルが…
苦悩の末バレエを捨て去ろう…ラストダンスと決めて臨んだこの撮影。圧巻の魂の踊り…その反響がすごかった!!YouTubeのアクセス数が二千万越えと言います。「踊りを愛しているから踊り続けたい」と…このダンスで改めて気付いたと言うポルーニン。映像の後半に差し込む陽の光のように光に導かれ活躍することを楽しみにしています。
ああ、母のような気分だわ~年頃が息子だもの!
例えば、ある日の寄り道ミュージアム
寄り道を企てたこの日は金曜日。東京都美術館が夜間開館をしていました。
「ゴッホ展~巡りゆくニッポンの夢~」を観ました。
展示室はそこそこ混み合っていましたがすごく混んでいるわけではなく、2時間ほど音声ガイドを借りてゆっくりと鑑賞しました。
「パリ・イリュストレ」誌の日本特集号表紙に印刷された浮世絵師 溪斎英泉の「雲龍打掛の花魁」が右、ゴッホが油絵で模写したモノが左。やはりバックはゴッホのイエロー。
ゴッホが「絵描きになろう!」と決意したのが27才、亡くなったのが37才。その間の10年で、ベルギー、オランダ、フランスと居を移しながら、移る度に作風も変わり多くの作品を残しました。
日本の浮世絵がゴッホに与えた影響は大きかったようです。ゴッホの死後、今度は近代の日本人がゴッホに憧れ影響を受けました。こうやって、国を越え、影響し、影響され、文化が交わっていくのですね。
【それから…生きている間にできるかぎりたくさんの油絵やデッサンを描くつもりだ。そして人生が終わる時が来たら「僕が描いたたくさんの絵たち!」というふうに、愛情と懐古の思いを抱いて死にたいと思っているよ】
ゴッホが弟テオに宛てた書簡にこんな言葉が残っています。ゴッホの願いは叶ったのでしょうか?
大人の気晴らし、寄り道に。忙しくても心豊かな暮らしに。夜間開館のミュージアム、おすすめです!
また、ある日の寄り道ミュージアム
銀座三越で開催されていた「オードリー・ヘップバーン展」今も色あせることのない素敵なジバンシィのドレスの数々…
オードリーは細くて長い首がコンプレックスだったと言います。でも、
【自分を客観的に見ることが大切!弱点は隠そうとせず正面から向き合ってほかの長所を伸ばせばいいのよ】
と言っています。オフタートルネックのコートがとても魅力的です。
撮影の合間や家族との時間を過ごすオードリー・ヘップバーンの自然な姿がとてもキュートな写真展でした。
インプットのふり返りはカフェで
講座など、インプットをしたら早いうちにふり返りをしておくと、頭の中が整理できて後で思い出しやすくなります。時間にもよりますが、私は帰りに一人でカフェに寄り、講座をふり返ります。家に戻ったら次のモードに切り替わってしまうからです。考え事をするのにもいいです。これも一種の寄り道です。
寄り道はほぼおひとり様
かなり文化系の私の寄り道ですが、体育会系が得意な方は体育会系の寄り道も楽しんでください。スポーツ観戦、スポーツをするのもいいですよね。
そして、寄り道は基本的にはひとりです。自然にご一緒する人が現れたら楽しく一緒に過ごしますが、前もって決めている行動ではないので、ほぼおひとり様です。
私は大勢でわいわい過すのも好きですし、2、3人の友人とのおしゃべりの時間も好きです。家族や夫と二人でまったり過すのも好きですし、一人で気ままに過ごす時間も大切にしています。たぶん私にとってはそのバランスが大事なんだと思います。
ちょっとショートトリップして戻ってくる大人の寄り道。みなさまはどこに寄りたいですか?
少しわがままに、自分の時間を持ってみてください。
大人のお洒落と心躍る暮らしをスタイリングするマチュアスタイリスト
黒滝伊都子