1年のうち「本当に快適だな」と思えるシーズンはほんのわずかです。ほとんどは暑かったり寒かったり、雨が降ったり風が強かったり。快適ではない日が続きます。
この快適ではない日々をどう過ごすかで、生活のクオリティが変わります。
今回は快適ではない暑い夏を快適に過ごす方法です。ここで威力を発揮するのは「その気になること」それに「夏ならではのもの」です。
コンテンツ
夏のわくわくを呼び戻す
子どもの頃、学生の頃も暑かったけれどわくわくした夏。思い出してみましょう。なにごとも自分で自分をその気にさせることが大事です。
子どもの頃の夏
子供の頃、夏が近づいて来るとわくわくしていました。夏が近づいてくるということは、夏休みに近づくということ。
夏休みは朝ゆっくり寝ていられる
夏休みは朝起きてもぼーっとしていられる
夏休みは夜遅くまで起きていられる
夏休みは九州のおばあちゃんちに行く
子供の頃から空想(妄想)好きだった私は、学校に行かずぼーっとして空想できる時間がたっぷりあるのが楽しみでした。
九州行きは年間の大イベント。
母が縫ってくれたよそ行きのワンピースを着て張り切って空港へ。
そこでミートソースを食べて必ずワンピースに飛ばす。がっかり。
行ってしまえば、ワシワシと鳴く熊蝉のシャワーの中、いつもはなかなか会えない従兄弟達と遊ぶ、遊ぶ。
おばあちゃんちの木の階段に開いている穴から細い手が出てきそうで恐くて恐くて…
みなさまの小さい頃の夏の思い出は?
映画や音楽、絵画と共に呼び戻してみましょう。
スタンドバイミー
少年達の夏。冒険の夏。ベン・E・キングのこの曲のイントロに何かが始まりそうな予感。
異人たちとの夏
昭和の夏。懐かしい夏。ノスタルジックな気分と背筋がぞくぞくする気分も味わう。
クロード・モネ「ヴェトイユのモネの庭」
背高のっぽのひまわり。小さな子どもがよけいに小さくてかわいい。
画面の向こうには夏空が広がっているんだろうなぁ。
青春の夏
まだ学生だった頃、仲間と行った夜のドライブ。星を見に、海を見に。
「バイト入れなきゃよかったなぁ」と少し仮眠をとってバイトへ行く友人。
湖畔の合宿、蚊取り線香のにおい。半端ない開放感。
みなさまの青春の夏の思い出は?
少しあまじょっぱい思い出もあるかもしれませんね。
この時があるから今がある!
茄子 アンダルシアの夏
「故郷を離れ、どこか遠くへ行きたい」
アンダルシアのワインと茄子のアサディジョ漬けが美味しそう。
マンマ・ミーア ヒア ウィー ゴー アゲイン
泣いたり笑ったり…青春の夏。キラッキラの夏。
夏と言えばひまわり。
ひまわりと言えばゴッホ。
この時期が画家としてのゴッホの青春時代だったのかもしれません。
夏ならでは
「スリーシーズン着られますよ」は真夏以外着られるという場合が多いです。
なので、「夏は夏ならではの装いをする季節」と言うこともできますね。
夏らしい色
強い日差しを味方にして、普段は強すぎるかなというカラーにも挑戦できるのが夏のいいところです。
色々な海のグリーンやブルーでクールダウン
海の色って様々な色があります。心身ともにクールダウンしてくれるのがブルー。さわやかに癒してくれるのがグリーン。両方の良さを併せ持ったブルーグリーン。
顔映りがよい色なら全身やトップスに取り入れる
似合うかどうか心配だったら顔から遠いボトムスや小物に取り入れる
いっそのこと燃える色で情熱的に
得意な赤なら全身やトップスに取り入れる
ベージュや黒と合わせると大人の赤の着こなしになります。グレーも素敵!
ビタミンカラーで元気に
ビタミンカラーが得意なら思い切って夏のワンピースを。
元気が出るオレンジ。トップスに取り入れにくかったらボトムスで。
白を効果的に使う
夏の白はいつもよりきっぱりとした白を。夏らしくなります。
大人が白を取り入れる効果についてはこちらをどうぞ
夏らしい柄
ストライプとボーダー
白とブルーのストライプなどさわやかで夏にぴったりですが、大人はストライプとボーダーどっちがどっち?と思ってしまいませんか?
でもそれは日本だけのおはなし。
日本のファッション用語としては、縦縞がストライプ、横縞がボーダーという認識が多いですが、本来は縦も横も斜めもストライプです。
ストライプ
ストライプには様々な種類があります。
・細い縞をピンストライプ
・ネクタイによく使われる斜め縞はイギリスの軍旗をベースにしたレジメンタルストライプ
・色数が多いマルチカラーストライプなど
私は基本的にはストライプ柄が苦手ですが、リネン素材ならコントラストが柔らかくなるので着やすくなります。
ボーダー
ボーダーは「縁」とか「境界線」という意味ですよね?
海外では以下の靴下は「ボーダーソックス」で通じるようです。
袖口やえりだけの縞もボーダー。
ここから日本では横縞をボーダーと呼ぶようになったのでは?というのがひとつの説です。
一年中着ているボーダーですが、マリンスタイルといえばやっぱり夏でしょう。
あまり得意でない場合は、間隔を置いた細い縞で襟ぐりまで縞模様が来ていないものが似合いやすいですね。
ドット
いわゆる水玉模様です。ドットの大きい順にコインドット、ポルカドット、ピンドットと言います。まったく流行らない時期もありますがこのところ大流行ですね。
ストライプ同様さわやかな2色配色が夏らしい。カルピスの清涼感ですか。
ボタニカル柄
植物柄のことです。花だけだと花柄ということが多いですが、葉っぱも主張している植物柄をボタニカルと呼ぶ印象があります。
流行のアフリカンテイストのボタニカル柄
夏らしい素材
今度は素材で清涼感を出しましょう。
リネン
リネン=亜麻で、麻というのはリネンや他の繊維を含む繊維の総称です。
最近は一年中リネン素材を着る方もいます。私もブルーのリネンシャツをセーターの下に重ねたりします。
それでも、やっぱり夏にこそ着たい素材です。
人類最古といわれる天然素材リネンは、コットンの発明と共に主役の座を奪われてしまいましたが、昨今着るほどに柔らかく味わいが出るリネンが見直されてきました。
花柄のスカートが甘すぎるなと感じたときは、リネンのシャツを合わせると甘すぎず良いバランスになります。
夏はやっぱりリネンのワイドパンツ!
シアサッカー
しじら織りと呼ばれるシアサッカーは波状の縞模様の凹凸感がある生地です。その凹凸感によって身体にぴったりくっつかない清涼感を出しています。
元々はインド産のやわらかい亜麻生地のことを言ったようですが、現在はコットンが主流です。
子どもの頃、よく母にこの生地で遊び着を作ってもらいました。さらっとしていてコットンでもアイロンがけがいらない夏にぴったりの素材です。
ずっとあったのかもしれませんが、ここ数年、カジュアルめの夏ジャケットやシャツの素材としてよく見かけるようになりました。
ジーンズにも合うし、ドレスコードによってはクールビズの時期の上着としても使えます。
夏小物
サンダル
鮮やかな色の靴にはじめて挑戦するときは、サンダルで取り入れてみましょう。分量が少ないので取り入れやすいです。
PVC小物
PVC(ポリ塩化ビニル)の小物がトレンドなのでデザインも豊富です。
透明で涼しげなPVCは梅雨時から夏にかけて活躍しそうです。
大人のPVCの取り入れ方は、レザーミックスやスカーフ柄ミックスなど、異素材ミックスがおすすめです。
フットネイル
サンダルをはくならセットでフットネイルも楽しみたいですね。
仕事でハンドネイルはできない方もフットネイルなら楽しめるでしょう。
駅までは日傘と保冷剤入り大判ハンカチ
せっかくお化粧をしても、駅に着くまでにすっかりくずれてしまう暑さ。
日傘は移動する日陰なので忘れずに。
保冷剤を大判ハンカチにくるんで首の後ろにあてて結ぶと汗の出方が違います。ハンカチなら洗えるし、色柄も豊富です。カラーコーディネートを楽しみながら試してみて下さい。
まとめ
あまり快適でない暑い夏を少しでも快適に過ごす方法
・子どもの頃、青春時代の夏のわくわく感を呼び戻す
・夏の日差しならではの色と柄を楽しむ
・夏素材で涼しげに
・普段は躊躇する色や素材の小物も夏ならチャレンジできる!
・日傘、保冷剤入りハンカチで少しでも化粧崩れを防ぐ
もちろん水分補給も忘れずに熱中症に気をつけましょう。
そして、夏にしか味わえないこと、夏にしかできないことを探してみてくださいね。
Style Season 黒滝伊都子