季節の変わり目には買い物をしたくなりますが、「いつも同じ感じのものを買ってしまう」というお悩みの相談をたて続けに頂きました。多くの方がお悩みなのではないでしょうか?私もワードローブには変化をつけたいと思っていますが、何かひとつ軸がないと「とりとめのないワードローブ」になってしまいます。
軸があって変化もあるワードローブはどのようにつくれば良いのでしょう?
コンテンツ
ワードローブに軸をつくる
マイ テイスト
100人の人がいたら100通りの魅力があり、それぞれの魅力は異なります。好みも100通りで、全く同じ好みということはありません。なのでマイ テイストも100通り。そのマイ テイストを見つけるのが結構大変だったりします。それは、意識下にある事が多くなかなか見えにくいからです。これを意識することが出来ると1本の自分軸ができます。
マンネリは自分らしさ
「いつも同じ感じ」
「いつも同じ感じになってしまう」という表現を使うということは、それがあまり良いことではないと感じているということですよね?「今のままで良いのか?」「なかなか殻を破れないけれど何かもっと他に正解があるのではないか?」等々。
では、「いつも同じ感じ」のどこが良くないかというと、「いつも同じ感じ」に満足していないというところでしょう。
十分大人な私達は、自分の好みも自分が何者かもだいぶんわかって来たと思います。良い意味でね。なので、もっともっと自分を信じて良いのだと思います。ただ少しだけ、意識の下にある何かを掘り起こして見える化し、さらに言語化してしっかり認識すれば、それが正解なのです。正解はどこからかやってくるのではなく自分の中にあります。そこにたどり着くまでに必要な方法は、何かや誰かを参考にすることはあると思いますが。
「いつも同じ感じ」に自信を持てるとそれは「自分らしさ」になります。「自分らしい」ということは良いことです。雰囲気を変える必要はありません。そういう意味ではマンネリでよいのです。
「あなたらしい」といわれるのはほめ言葉で、自分も落ち着いていられるならばなお良いことです。そこで、自分らしいマイ テイストをしっかり意識しましょう。
例えばこんなマイ テイスト「大人の男の仕事着」
我が夫はある意味では全くお洒落ではありませんが、別の意味では非常にお洒落なのです。というのは、ファッションエディターが夫の装いをある時期評価するとしたら一刀両断に切られると思います。ファッションエディターの評価の軸は時代のトレンドと新規性なので、それとは全く別の世界で生きている人です。が、マイ テイストが確立しているという点では尊敬してしまうほど全くぶれない!
夫が思春期の頃あこがれた「大人の男」は太いサスペンダーをして、ダブルのスーツに身を包み、黒いロングトレンチを羽織った男性。見た目はダークスーツでシックな装いだけれど、上着を脱いだ時にちらっと見える裏生地は情熱の赤!
何かを見てあこがれたのだと思いますが、それについては語っていません。
ゲットーの影響はあるかも!
素敵ですがこれは見ていないでしょうね。母の世代があこがれたグレゴリー・ペックのダブルスーツの着こなしです。
やはりMr.ダーバンのこの方でしょうか?
私達の子供の頃、美男子と言えばアラン・ドロンでした。
トレンチコートも格好いいです!
ジャン=ポール・ベルモンドとアラン・ドロンが共演した映画「ボルサリーノ」「ボルサリーノ2」イタリア ボルサリーノ社のソフト帽が一躍有名になりました。
当時このタバコのくわえ方にあこがれた男性が多かったと言います。眉間にしわを寄せ、ちょっと気難しそうな感じがクール。
アラン・ドロンにあこがれたのかどうかはわかりませんが、社会人になった夫はこの理想を目指し、世の中で何が流行ろうと全く揺るぎない。おかげで、今でこそ英国の正統派ダブルのスーツが見直されてきましたが、以前はある筋のお頭(かしら)くらいしか着ていないのではないかというくらい、つるしのダブルスーツなど見つかるはずはなく、オーダーで作るしかありませんでした。もちろん裏生地も暗めではありますがレッドをオーダーします。
太い二股のボタン留めサスペンダーも探しに探しました。
81歳で俳優引退を表明したロバート・レドフォード。若かりし頃の黒コートの着こなしです。
夫はカジュアルに頓着なく、その点は私に尋ねるのですが、ビジネススタイルは何を言おうががんと譲らない!
そこそこ上背があり体格も良く、シングルスーツの方がスマートに見えます。けれどそれより「貫禄のある男」というイメージが優先するのでしょう。その意味でダブルのスーツはよく似合っています。
なので私はそれを尊重しています。
スーツはアーマー(armor)ですからね。仕事のドレスコードの範囲内であれば一番気持ちが上がる装いが良いのです。
近年の世界一スーツの似合う男はコリン・ファース。この方はいつもスーツ姿です。
187㎝の長身で着こなすスーツはとても素敵です。
マイ テイストとは?
マイ テイストとは「自分らしいテイスト」のことです。
では、自分らしいテイストってなに?
ファッションやインテリアなどでよく使われる「テイスト」ですが、今回はファッションにしぼってお話しします。でも、インテリアと重なる部分はたくさんあります。
テイストってなに?
テイストとは「モノから伝わるイメージ」のことです。
テイストを構成する要素は4つ。
◇色柄
元気な感じ、落ち着いた感じ、女性的、男性的、春らしい、秋っぽい
◇形
直線的、曲線的、装飾的、シンプル
◇素材
綿、ウール、麻、ポリエステル、レザー
◇質感
柔らかい、固い、軽い、重い、ツルツル、ザラザラ、サラサラ
自分らしさとはなに?
自分らしさ とは「潜在的に持っている自分軸」のことです。
何かを選ぶ時のキーポイントになっているので、気に入ったモノを分析すると共通点が見つかり、自分らしさを認識することが出来るようになります。
自分らしさを見つける方法
◇ワードローブの中で特に気に入っているモノを選び、どこが気に入っているのかを言葉にしてみます。
逆に着ていないモノはなぜ着ていないのか言葉にしておくと、買い物の失敗が少なくなります。が、今回は気に入っているモノの理由を考えてみましょう。
色、形、素材、質感、機能性、プライス、ストーリー性などどこに惹かれたのか考えて言葉にします。
◇ビジョンマップを作る。
・ファッション雑誌やカタログなどから深く考えず直感で気に入ったモノをどんどん切り抜き、それを1枚の紙に自由に貼っていきます。
直感で選ぶということと1枚の紙に貼って一度に見渡せるというのがポイントです。
・完成したら、そこに貼ったお気に入りのどこに一番惹かれたかを分析します。
上記のように、色、形、素材、質感、機能性、プライス、ストーリー性などどこに惹かれたのか考えて言葉にしてみましょう。
・ お気に入りの共通点の中でも際だったところが自分軸です。心がそそられるキーワードでもあります。なので出来たビジョンマップを部屋に飾っておくとわくわくします!
例えば、
下の写真はずいぶん前にファッションを中心につくった私のビジョンマップです。私のお気に入りのキーワードは「エンジや琥珀色」「程良い光沢感」「程良くソフトな質感」「ノーブル」「クラシカル」です。
つまりマイ テイストとは?
「自分軸で選んだモノから伝わるテイストが集まってつくられる、全体的な自分のイメージ」→「自分らしい雰囲気」
装いは見せたい自分を表現すること
どう見られたいか
「どう見られたいか」というと、人の眼ばかりを気にしていると聞こえるかもしれませんがそういう意味ではありません。
「どう自分を演出するか」という事です。装いは自分のためにするものではありますが、一緒に過ごす人のためでもあり、人に私という人間を表現するためのものでもあります。マイ テイストがわかったらそれを軸に見せたい自分を演出しましょう。
我が夫の場合ビジネスシーンにおいて「若々しくスマートな男性」より「貫禄のある落ち着いた、こだわりを持った男性」というのが見られたいイメージなのでしょう。
私の場合は「上品で女性らしい華やかさがあり、ソフトで軽やかさもある。でも、たま~に男前な部分ものぞかせる意外性のある女性」と見せたい。
夫婦では見せたいイメージが硬軟、軽重分かれていますね。みなさまやご家族はどう見せたいでしょうか?
では、その見せたいイメージは夫や私の実体に似合っているか?
見せたい自分のイメージを自分の似合うに寄せる
似合う
「似合う」というのはその人の雰囲気に違和感なく合っているということです。その人に合っていると素敵に見えます。お洒落に見えます。
見せたいイメージが自分の顔かたち、ボディラインや雰囲気に合っているかというと必ずしも一致しません。
夫がもしあまり上背のないスリムな人だったら、私は身を呈してダブルのスーツは阻止したでしょう。
私がとてもクールな顔立ちをしていたら、裾の広がった柔らかい素材の花柄のスカートははかないと思います。
そこで、見せたいイメージをあきらめるのではなく、「見せたい自分のイメージを自分の似合うに寄せる」必要が出てきます。上背がなくても「貫禄のある落ち着いたこだわりを持った男性」のイメージに見せたければ、シングルスーツに色や素材、小物使いを工夫して表現したり、
「女性らしい華やかさ」はクールな顔立ちとのバランスを考えて加減して足していけばいいのです。
「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」に見る職業別見せたいイメージ
現在「マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー・アゲイン」が日本公開されています。エーゲ海の美しい景色を背景にメリル・ストリープ演じるシングルマザーと結婚式にパパにエスコートして欲しいその娘の結婚前日から当日を、時に踊り出したくなるような、時に胸が熱くなるようなしっとりとしたアバの曲で綴るミュージカル。前作から10年ぶりの続編です。
この映画に出てくる3人のパパ達の衣裳が、見せたい自分の装いの参考になりそうなので見てくださいね。
10年ぶりのパパ達はこんな感じになりました。コリン・ファース(左)だけぎりぎり50代。お二人は60代です。
ピアース・ブロスナンは映画の中では建築家です。この人の装いはいつもキレイめで格好いい感じ。「007」ですからね!
カジュアルでもシャツを着ていて、キレイめなジーンズと合わせたミックステイストです。ニットも襟付きでTシャツ姿は見かけません。でも、建築家はアーティストでもありますよね。だからスーツは着ますがネクタイはしていない。スーツの色もダークではありません。自由な発想が必要なお仕事なので堅すぎてもいけません。
見せたい印象とその人の持っている雰囲気のバランスを図ります。
こちらはいくら堅くてもOKな金融機関にお勤めのパパ コリン・ファース。
世界一スーツの似合う男「キングスマン」だからか?設定がいつも仕事から駆けつけてきた事になっています。きっちりした仕立ての良いダークスーツに白シャツ、ネクタイ、信頼の装いです。だからカジュアルもシャツにスラックス。ネクタイは外しますがそれ以上は崩しません。サングラスでおしゃれ感を出しています。
自由を体現した衣裳は冒険家で作家のパパ ステラン・スカルスガルド
パイレーツなので海が似合う男です!
続編では出版記念パーティを抜け出してやってくるので一応シャツを着ていますが、カラフルなパッチワーク風のシャツ。自由な雰囲気は保ちます。1作目の結婚式ではジャケット着用も綿パン、綿ジャケットでしたね。見せたいイメージとその人らしさを崩さずにきちんと感のあるスタイルを作っています。
足元も見てください。建築家のパパは茶色の革靴。堅いお仕事では履きません。
冒険家のパパはデッキシューズ。ヨット乗りですからね。(もしかしてスニーカー?)
バンカーパパはピカピカの黒い革靴です。
どう過ごしたいか
マイテイストを軸に見せたい自分を実際の自分の似合うに寄せてバランスを取り、自分らしいスタイルが確立しました。
夫のビジネススタイルは揺るぎなく、カジュアルはシャツとジャケット、キレイめなパンツを中心に季節ごと、シーン別にパターンを決めておきます。あとはパジャマでいいかというと、やはりホームウェアが必要です。長年連れ添った夫婦だったとしても、休日パジャマやジャージでウロウロというのもお互い如何なものでしょうか?とは言えリラックスはしたい。できればそのまま寝たい。
ホームウェアの場合、今度は「どう見せたいか」ではなく「どう過ごしたいか」
ホームウェアに求めること
快適でないとリラックスできません。
座ったり寝転がったり出来て、すぐに犬の散歩にも行けるくらいのホームウェア。夏は涼しく冬は暖かく、洗濯が出来るモノ。楽ちんだけれど、夫婦がお互い「あーあ」と落胆しすぎない程度のおしゃれ感のある装い。
夏に家の中で襟付きのシャツを着てとは言いません。やはりTシャツに短パンが快適です。息子達は若さとバスケットをやっていたせいか、ユニフォームのような部屋着でも気になりませんが、夫には違和感があります。外にもはいていけそうな短パンにして、Tシャツはヨレヨレになる前に変えるようにします。
他の季節もジャージではなく、秋と春はウェストがゴムの綿パンに長袖のTシャツ。冬はコーデュロイのパンツにニット。
最近気に入っているのは登山ウェア-の売り場です。動きやすくて見た目も良いデザインのボトムスを見つけることができます。吸湿性、速乾性のある生地で部屋着にしてはそこそこのお値段がするところをセールで買います。Tシャツ類はどんどん変えたいのでリーズナブルなものを枚数買うようにします。
私の部屋着は1年を通してほぼワンピースです。家で洗えてシワにならず、肌触りがよくヨレヨレになりにくい。テイストは外出着に比べるとけっこうキュートですが、ゴミ出しや洗濯を干す位は外に出られるようなモノを選んでいます。私はわくわく感が必要なので、リラックスできるだけでなく、気に入った色、柄、デザインも重要な要素です。良い素材を選んでおくとまとめておしゃれ着洗いで洗濯すれば、けっこう長く着ることが出来ます。
快適でない季節をどう過ごすか?
「どう過ごしたいか」はホームウェアだけではなく、快適ではない季節の外出着にも「できるだけ快適に過ごしたい」という重要な要素になります。
最近お話しした男性がお二人、同じ事をおっしゃっていました。夏は仕事場に着くまでにどうせ汗だくになるので、通勤はTシャツで行き仕事先にシャツやポロシャツを置いておくそうです。暑い季節に襟のついたシャツは暑い。ドレスコードがある程度自由な方はこの方法も良さそうです。
寒い冬でも暑がりの夫は黒いトレンチコートにウールのライナーがついていれば過ごせてしまいます。ウールのロングコートは全く着なくなりました。ただ、代々買っていたお気に入りのロングトレンチがけっこう重いのです。ある日、カジュアル用にしていた黒いハーフコートを着てみたら「あら!何て軽い!」。これは通勤時の快適さが勝って軽い素材のハーフコートを採用することになりました。
大人の私達は我慢のし過ぎもよくありません。できるだけ快適でお洒落な装いを心がけたいものです。
ワードローブの軸
こうしてマイテイストを基本に、見せたい自分と「似合う」「快適さ」のバランスを取り、出来上がったスタイルがワードローブの軸になります。
あまり変化を求めない夫のワードローブはこれでほぼ完成。あとは少し季節感を出し、アイテムを買い足す時にゆっくりアップデートして行けば良いと思います。クローゼットに着ていないモノはほぼ入っていないミニマルなワードローブです。こちらを目指すのもひとつです。
私はと言えば、「上品でソフトな華やかさのある女性」がワードローブの軸です。でもそれだけではありません。「ソフトで軽やかでありたい」と言うことは、どっしりとそこに留まると言うよりも穏やかに変化していたいのです。
ワードローブに変化をつける
季節で変化をつける
前述のように、私のワードローブの軸は「上品でソフトな華やかさのある女性」なのですが、私は「たま~に男前な部分ものぞかせる意外性のある女性」も目指しています。ちょっと気が多いのですよね。なので、自分らしい定番のスタイルは大好きですが、ちょっと変化も欲しい。
そこで、ワードローブの軸を基本にして季節で変化を楽しんでいます。というのは、軸があったとしてもひとつのシーズンで色々なテイストが入るとワードローブが多くなり過ぎてしまうからです。それに私は季節感を表現すること、季節を楽しむことをとても大切に考えています。
色を変える
四季折々の色
季節を感じる色というのがありますよね。私はその季節の気分を色で表現したいと思っています。そこでベイシックカラーに季節の差し色を決めて四季を楽しみます。
例えば私の場合は流動的ではありますが、おおよそこのように決めています。
◇立春が過ぎて春の陽差しを感じると、なぜか毎年ピンクが気になります。
桜の便りのせいでしょうか?
春らしいイエローもウキウキした気分にしてくれます。
◇夏は南国の様々な海の色…エメラルドグリーンやマリンブルー、向日葵の黄色を楽しみたい。
◇まだ暑いけれど朝晩に秋風の気配を感じたら、ベリーカラーやピーコックグリーンを差し色に加えよう。
◇秋も深まり木の葉が色づく頃、得意なオータムカラーを思いっきり楽しみます。
◇イルミネーションが点灯したら、基本はベイシックカラーに鮮やかな赤やターコイズブルーの小物で冬のワードローブを彩ります。
この世に色があるって素晴らしいですね!みなさまもそれぞれの季節のカラーストーリーを作ってみて下さい。
なぜか気になる色
もうひとつは、季節に関わらず「なぜか今この色が気になる」という時があります。今年の夏はどうしても濃いめのピンクが気になりボトムスに取り入れました。
こんな風に、ワードローブの色とは別に単発で気になる色を取り入れる場合もあります。
普段の私の色ではないけれど「この色が気になる」というのは、トレンドでよく目につくという場合もありますが、意識下の何かが求めている色なのかもしれないとも思うのです。
その場合はあまり抵抗せず、一点だけ投入することにしています。また、そこから自分の色の世界が広がることもあります。
テイストを変える
「上品でソフトな華やかさのある女性」の雰囲気は変えずに季節で少しだけテイストを変えたりもしています。
下が春夏に作った私のビジョンマップです。
先ほどの秋冬に作ったビジョンマップです。
基本軸は変わらないのですが、春夏と秋冬では色が違っているのはおわかり頂けると思います。更に、テイストも微妙に違うのです。これはビジョンマップを作って初めて認識しました。
◇春はピンクや花柄、刺繍やビーズを中心におとなフェミニンに装いたい
◇夏はキレイめは保って、でもちょっとだけ開放的にカジュアルに装いたい
◇モードの秋は少し格好良くソフトクールに装いたい
◇寒い冬は積み重ねた時代に包まれてクラシカルに装いたい
軸がしっかりしていれば変化もこわくはありません。
場面で変える
ライフスタイルのそれぞれの場面に合った装いをしたいものです。かと言って、たくさんのアイテムを持っていなくてもコーディネートを工夫すれば大丈夫です。
例えば花柄のスカートを雰囲気を変えて着回す
写真では異なるスカートですが同じスカートでコーディネートできるのです。
◇華やかに装ってバレエ公演を観に行く
トップス、ボトムス、パンプス全てエレガントにすると華やかな特別感のある装いになります。
◇セミナーを受講したり、習い事、ランチ、多くの場面での装いに
トップスをニットに足元をショートブーツにすると程良くカジュアルな街着になります。
◇オフの日にリラックスして体のメンテナンス
Gジャンのようなカジュアルアイテムとミックスすると、よりリラックスした雰囲気になります。
◇ひとつ先の駅まで買い物に行く
もっと遠くまで行けそうですが、レザーとスニーカーで近場のお出かけにも気張らない装いになります。
例えばデニムのスカートを着回し
◇リラックスした装いに
ニットにデニムはお家スタイルにもなるし、ちょっと出かける時にリラックスして着ることが出来ます。
◇もうすこし遠くまで出かける時に
トップスを刺繍のブラウスにするとグッとお洒落になります。友人とランチも出来そう。
◇フォーマルやビジネスシーンでなかったらかなり色々な場所に合いそう!
今度はトップスをチェックのボウタイブラウスに変えるとクラシカルな雰囲気になります。柔らかい花柄のブラウスなどもいいですね。
たくさんの洋服を持っていなくても着回しやすい基本アイテムがあれば、色々なシーンに合うようにコーディネートすることが出来ます。
トレンドの取り入れ方
変わっていくトレンドをどのように取り入れれば良いかも悩みどころですが、大人の私達はまず自分のワードローブの軸を基本に、もし使えそうだったり、大いに気持が求めるならば取り入れると良いと思います。
大人のトレンドとのつきあい方は「飛びつかず無視もせず」
ただ、ある程度トレンドを把握しておかないと、程よいお付き合いもできません。
そこでトレンドのつくられ方、ZARAやUNIQROなどのSPAブランドについて、トレンドの取り入れ方はこちらを参考にしてくださいね。
このシーズンはどんなコーディネートにする?
ワードローブの軸を基本に季節感やテイスト、場面にもフィットして、程良くトレンドも楽しめるワードローブになりそうでしょうか?
では、新しいシーズンに向けてそのワードローブに何を迎え入れるか考えてみましょうね。
自分のワードローブでショッピング
自分のワードローブは自分で選び取ったファッションの宝箱です。まずは買い物をする前に、このシーズンはどのアイテムを着たいと思うかを考えます。
今シーズンも着たいアイテムで、自分のワードローブをショップに見立て、シーズンのコーディネートを組みます。鏡の前で色々ファッションショーをしてみるのです。面倒でも着てみるのが一番。着ないとわくわく感もバランスもわかりません。「これはどうかな?」と迷った時、実際に着てみると答えがわかることが多いのです。
靴やアクセサリーもコーディネートして出来たスタイリングは写真に撮っておくと忘れません。
今シーズンはこの気分!というコーディネートをビジネス、カジュアル、機会があればドレスアップで何通りか組んだら、そこにランクインしなかったアイテムの理由を考えます。
色褪せて見えるのが原因ならそろそろ手放す時期なのかもしれません。私は今年膝下くらいの丈のスカートをはく気になりません。長めのスカート丈がエレガントに感じるのです。膝が見える丈のスカートはもうはくことはないと思うので、丈を直すか手放すことにします。膝が隠れていればまたはきたくなる可能性があるので、保留にしてしまっておきます。
こうやって、ランクインしなかったアイテムの理由を考え、手放すか保留にするかを決めます。一番取り出しやすいところにランクインしたアイテムを。奥に保留にしたアイテムを収納します。
足りないモノは何?
例えば、私がワードローブでショッピングをして、今シーズン足りないなと思ったのは?
◇丈が長めの無地のスカート
秋なのでソフトクールに装いたい。そこでダークカラーのエコレザーのスカートがあると色々着回すことができ、シーズンを跨いではけそうです。レザーであれば私の場合はタイトスカートではなく、落ち感のあるフレアタイプが似合います。色も黒よりカーキがいい。
◇春に買ったカーキのベイカーパンツに合わせてキレイめなトップスがほしい。
今年は秋になってもレースが気になります。冬にはセーターの下にも着られそうなスタンドカラーのレースのブラウスがたくさん出ています。ジャケットの下にも、カーディガンの下にもいいですね。オフホワイトのあまり繊細すぎないレトロなレースにしましょう。それがあれば、昨年買った花柄のプリーツスカートともコーディネートできそうです。柄×柄のようなちょっとごちゃごちゃした感じに着てみようかと思います。
と、このように妄想コーディネートが簡単に10個くらいは作れてしまうので、これは買いですね!
画像を検索して「もっとこんな感じだったらいいな」と突っ込みを入れてみるとよりイメージがはっきりします。
◇仕事用にネイビーのジャケット
これは何年も着るのでゆっくり時間をかけて出会いを待ちます。今年見つからなくてもかまわない。
◇細かい格子柄のワイドパンツとソフトなボウタイのブラウス
大きめチェックのブリティッシュテイストは苦手だけれど、細かい格子柄のワイドパンツにクラシックなボウタイブラウスを合わせて、由緒正しい気分を味わいたいと思います。ベージュ系なら私のワードローブと相性抜群。ボウタイブラウスもレースと同様セーターの下に着てクラシカルに装いたい。顔映りの良いエンジ系で探してみようか?
◇ユニクロの白いVネックセーターは毎年買い足します。
◇エンジの小物
冬のアクセントカラーであるターコイズの小物はだいぶん集まったので、今度はエンジを少しずつ集めたい。これもゆっくり。
◇黒スエードのロングブーツ
ショートブーツ流行りでしたがそろそろロングブーツが恋しい。黒のスタンダードなスエードブーツなのでセールで出会いがあれば投入してもいいかも。
こんな風にあれこれ妄想して、かなりイメージを明確にしてショッピングメモを作ります。あれがあったら…という妄想力が必要です。普段から楽しい妄想をして鍛えておきましょう。
ショップでショッピング
そしてやっとショップでショッピングです。一目惚れもありますが、コーディネートが最低でも3つは思い浮かばないと買いません。基本は妄想したアイテムとの出会いを恋人を待つようにじっくり待ちます。思いが深いとけっこう見つけられるのです。
カーキのエコレザーのスカートとレースのブラウスはもう出会いがありました。
「これでいいかな。安いし」というのは大抵後悔します。
「これがいい!えっ?安い!」がいいですね。こだわって探しましょう。
着るモノがなくて困っているわけではないし、来季もわくわくしてランクインさせたいですものね。
まとめ
◇ワードローブの軸を決める
・マイテイストさがし
・どう見せたいか
・「似合う」に寄せる
・快適さも大事
◇ワードローブに変化をつける
・季節で色やテイストを変える
・ライフスタイルの場面で変える
・トレンドを程良く取り入れる
◇今シーズン何を手に入れるか?
・自分のワードローブでショッピング
・何が足りないか?あったらいいな?を出来るだけ明確に妄想する
・ショッピングは一目惚れもあるけれど、基本はわくわくしながら出会いを待つ
お買い物中毒にはご注意ください。私もショップをのぞくことが多いので誘惑も多いのです。
良くない買い物は一瞬のときめき。良い買い物はさよならを言うその時までずっとときめきが続きます。
そんな出会いを楽しみに、自分らしくて変化もあり、風通しの良いワードローブをつくりましょう。
大人のお洒落と暮らしをスタイリングするマチュアスタイリスト
黒滝伊都子